Canary Chronicle~カナリアクロニクル~

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映画や本のレビューや雑感、創作活動や好きなもののことなど。トリッチのあたまの中のよしなしごとを綴ります。

【映画レビュー】『マーターズ』(リメイク版)2015年

マーターズ(リメイク版)2015年

『マーターズ』2015年

ハリウッドリメイク版です

【レビュー】わたしは有りだと思います。大好き!

今日はあらすじは端折って、と。

すっかりオリジナルの『マーターズ』に魅せられたわたくしトリッチ、ハリウッドリメイクも観たー!

うーん、小粒!w でも不思議とキライじゃないです!

ていうか、めっちゃ好きですね。
オリジナルの神がかりの良さには及ばないながらも、ガーリーな痛みに満ちた名作と思いました!!

これアレだ、意地悪な人たちが「リメイク作る意味あったの?」ってよく言ってるけど、そーじゃねーんだなーーー これさ作った人たちがさ、オリジナルの『マーターズ』がもう好きで好きでたまんない訳よ、でさもうさ自分でも撮りたくて撮りたくてたまんなかった、そういう映画なんじゃないかなと思います!

音楽がとてもいい。重厚で切なくて美しい。

シーンも美しい。映像美の何たるかをちゃんと知ってる人たちが撮ってますね。
特にリュシーとアンナの少女時代の回想は切なすぎる。背の高い草の生い茂る野ッ原で、アルプス一万尺みたいな手合わせ遊びをしたり、回転遊具に寝そべって、くるくる回りながら美しい雲のきらめく青空を見上げたり。

『マーターズ』2015年

美しくて切ない、リュシーとアンナの少女時代の回想

 

以下、オリジナルの『マーターズ』との比較を述べます!






以下ネタバレ全開!!
リメイク・オリジナル両方の『マーターズ』のネタバレ全開!!
未鑑賞のかたは読まずにスルーお願いします!!



1)有名なヘッドギア女性はリメイクには一切出てこない。
ジャケ詐欺ですな。パターソン博士(リュシーに一家惨殺されるおっさん)の家で見つかる他の被害者は、サムという小さい女の子に改変。サムたん重要な役割を果たします。

2)オリジナルでは「到達する」のはアンナですが、リメイクではあくまでリュシーが殉教者の立場。
達するのは拷問された人間が誰でも出来ることではなくて、その才能がないとムリ。アンナはリュシーと一緒に捕まって拷問されるが、数回やっただけで才能ナシと見なされる。

『マーターズ』2015年

リュシーは空の彼方へ……(泣)

 3)マドモワゼルが饒舌。必要最低限のことしか語らなかったオリジナルのマドモワゼルとはちがって、強面のおばちゃん(オリジナルよりずっと若い!)が、べらべら饒舌になんでこんなことしてるのかを話してくれる。で、なんでアンナにこんなこと教えちゃうのかというと、リュシーを取り戻す手助けを結果的にしてくれたから、教えちゃうわねって流れ。オリジナルがぼかしまくってたことを明言してくれるので、スッキリするっちゃする。オリジナルのが優れてると思うけど、このスッキリ感はまぁまぁ評価出来る。

『マーターズ』2015年

親切に全部説明してくれる、リメイク版マドモワゼル

 4)物語の順序として前後するけど、リュシーがパターソン一家を襲撃したあと、あそこん家にアンナと二人でいつまでもぐずぐず滞在してるのが、オリジナルでは「はよ逃げ−−−や!! アホか!!」とちょっと思わなくもなかったけども、リュリーなりにこだわりがあってとどまったという説明もスッキリなされていた。これもまぁオリジナルのが好きとはいえ、スッキリ感は評価出来る。

5)最大のネタバレその1閲覧注意
マドモワゼルは「じぶんで見てみろや」ってアンナに撃ち殺される。これを「ほんそれ。クソざまぁ」と感じる人は多いのではないかと思う。わたくしはオリジナルのミステリアスな自殺の方が段ちがいで好きだけど、ここもまたスッキリするのでそれなりに評価出来る。

6)最大のネタバレその2閲覧注意
サムの頑張りのおかげでパトカー急行!! だがリュシーはもうアッチの世界に到達しちゃったし虫の息。アンナも一度生き埋めにされるも命からがら脱出して帰還→雑魚キャラたちとバトりながらリュシーの下へ到着したせいで満身創痍なので息も絶え絶え。で、幸福感に満たされた感じでリュシーが逝き、それを見届けたあと、少女時代に見上げたあの美しい空の幻を見ながら、「一緒なら何処へでも」とかつての思い出の言葉を思い出しながら、アンナもDIE。
ここのシーンは音楽と映像の抜群のうまさで、スンゲー胸キュンシーンだったー!!
ひたすら神々しかったオリジナルのがずーっと好きだけど、悪くない!!
この胸キュンっぷりは評価出来る! 好き! 少女マンガ的胸キュンキュキューーーーン!!

7)オリジナルは、はっきりそうと明言はしてないけども、アンナがリュシーにレズビアン的な愛情を持っていたことが伺える(一家惨殺の家から思わず母親に電話しちゃうシーンで、アンナの母親が「あの変態女の影響を受けて!」とアンナとリュシーのことを咎めるセリフがある)。
でも襲撃し、疲れ果てたリュシーの唇に思わずキスをすると、リュシーの方は「何のつもり? やめてよ」と払いのけるので、たぶんリュシーの方はただの友情っぽい。で、リメイクですけども、こっちは明確に「親友」って立場。
めっちゃ思い入れはお互いあるだろうけど、そこは友達って感じ。
このサラッとした感じがアメリカ的だなと思いました!

ざっと見てこんな感じですかねー相違点!

女優さんは、アンナもリュシーもオリジナルより美人。
というか、分かりやすい美人。2人ともスレンダーでスタイル抜群。
でもなーーーー強烈な魅力があるのはやっぱオリジナルの2人かな。
何だろな、ちょっと薄くなってた。 リュシーの苦しみとか無残さとかは、オリジナルのがずーーーーーーっと上。でもリメイクのリュシーめっちゃ美人だから悪く言わないであげてって感じ。
アンナはおとなしすぎてちょっと魅力が薄いかなーーーー。まぁオリジナルのアンナはほんまもんの『殉教者』になっちゃう訳だから、あくまでパンピーという設定のリメイクのアンナと比べるのは、そもそも勝負にならないので許してあげてって感じです。

『マーターズ』2015年

苦しみに満ちたリュシー

 と、いう訳で、ハリウッド版『マーターズ』気に入りました。

新しさは全くないね! オリジナル観て次に何が起こるか知ってる訳だから、途中ちょっとだけ退屈だった。いっそ思い切ってストーリーもまるっきり変えちゃった方がインパクトあったんじゃないのーーーとは思うけど、作った人のマーターズ愛をビンビン感じたし、ハリウッド映画しか理解出来ないハリウッド脳の人にも分かるように、ミステリアスなオリジナルをハリウッド語に翻訳してくれた、と考えれば、やった意味はあったんじゃないでしょうか!

トリッチはかなり好きですね!(^皿^)



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