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【映画レビュー】『ゴシカ』2003年

『ゴシカ』2003年

『ゴシカ』2003年

『ゴシカ』2003年:あらすじ

ミランダ・グレイは魅力的な女性にして優秀な臨床心理学者。夫で医師のダグラスが管理官を務めるウッドワード女子刑務所内の、精神科病棟で働いています。現在はクロエという女性を担当していますが、悪魔に犯されたなど妄想と思われる話をし、それを指摘すると激昂したりするので手を焼いています。

『ゴシカ』2003年

その日もミランダは、クロエのカウンセリングを終えプールでひと泳ぎしたあと、雨の中を車で帰宅しようとしていました。大雨で水が出たため、いつもの道が閉鎖されています。仕方なく迂回ルートに回るミランダ。と、橋の手前の道路の真ん中に、ずぶ濡れの少女が突っ立っています。

『ゴシカ』2003年

危ない! 彼女を避けようとしてハンドルを切って、事故を起こしてしまったミランダ。大丈夫、怪我は!? 車から這い出して、少女に駆け寄りましたが、少女は突然叫び出し、炎に包まれます。ミランダは気を失ってしまいました。

目覚めると、ミランダは職場の女子刑務所精神科病棟に収容されていました。そこへ同僚の医師ピートがやって来て、驚きの事実を告げました。「落ち着いて聞いてほしい。ダグは死んだよ。君が殺したんだ」ミランダは叫び出します。どうしてこんなことに??

『ゴシカ』2003年

みんなに正気を失っていると思われ、あの雨の日のことを何ひとつ思い出せず。不安でいっぱいのミランダに、更に怪奇現象が迫ります。あの夜に見た少女の亡霊が、繰り返し現れ……真実を知るために、ミランダは女子刑務所精神科病棟を脱走する決意をします……。

【レビュー※ネタバレなし】深海のような女子刑務所精神病棟と怪奇事件【ゴシカ】

深海のような女子刑務所精神病棟と、自分にだけ見える怪奇現象。
結論から言うと、めっちゃくちゃ好みのお話でした!

精神病棟の、重く沈んだ色合いがとてもいい。ダークブルーが基調で、不安でたまらないような、それでいて何かを思い出せそうな。無機質に見える職員たち、そしてバランスを失った患者の女たちが漂う空間は、深海のようなムードでもあります。

特に不快そうな広いシャワー室が非常によかった。薄暗いシャワー室で、女たちは、武装した職員が監視する中でシャワーを浴びています。

『ゴシカ』2003年

肌の上を流れ落ちるお湯にほっとひと息をついていたミランダを、雑踏の向こうから少女の幽霊が睨んでいます。その存在に気付いた途端、突如凶暴さを剥き出しにして襲い掛かってくる! 両腕を上げて身を守ろうとするミランダ。容赦なく爪? 刃物?で切りつけてくる少女の幽霊。でもほかの者にはその姿は見えないので、ミランダは自傷したと思われてしまう。素晴らしく恐ろしい、幽霊との遭遇シーンです。

しかし、本当に「怖い」のは誰だったのか。

そして明らかになるおぞましい秘密。見えていたもの、信じていたものが全て表面的なものに過ぎなかったと知り、順風満帆と思われたそれまでの人生が永久に失われてしまいます。その上で、更に幽霊が伝えたかった真実とは。

ムーディで伏線回収と謎解きも小気味よく、よく出来たホラー・サスペンスでした。

『ゴシカ』2003年

ハル・ベリーが非常に魅力的。
不安に押し潰されそうになりながらも、勇気を持って真実を知ろうとする主人公を好演しています。

『アイアンマン』で有名なロバート・ダウニー・Jrが、ミランダの同僚医師で彼女に気があるピート役で出ていますが、現在のような輝きはまだ見られません。

そして、ミランダを困らせる患者、クロエは、ペネロペ・クルスが熱演。

すっぴんで、絶妙なメンヘラぶりを晒しています。すぐ抱きついたり、ちょっと距離ナシなところが怖い。女子刑務所内精神病棟の患者という役柄なので、往年のゴージャスペネロペのムードはありませんが、前髪ぱっつんでかわゆかったです。

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