『ゴア・ゴア・ガールズ』1972年
『ゴア・ゴア・ガールズ』1972年:あらすじ
ストリップクラブ「トップス&ボトムス」の売れっ子ストリッパー、スーザンちゃんが、殺されて顔をぐっちょぐちょにされるという猟奇事件が発生しました。
ザ・グローブ誌は、新米美人記者のナンシーに大金を持たせて、探偵のエイブラハム・ジェントリーに事件の調査を依頼します。
お金につられて引き受けるジェントリー。
しかしそうこうしているうちに、次々と同店のストリッパーが惨殺されていきます。
犯人は誰だ!?
【レビュー※ネタバレなし】何これたのしー!おばかでキュートで案外ちゃんとサスペンスしてるゴアゴア映画【ゴア・ゴア・ガールズ】
『2000人の狂人』に続き、ハーシェル・ゴードン・ルイス祭り第二弾!
何だこれwww ちょうへんな映画、何を思ったらいいのか分からない!!
オープニングクレジットが、思いのほかカッコよくてにくたらしい。
冒頭、いきなり惨殺されて景気よく顔面破壊される美女!
いい感じのジャズが流れて、えっまさかいい感じなん??
ゴア・ゴア・ガールズなのに!?と大困惑!!
キャラもとってもよいのがまたにくたらしい。
主人公の探偵エイブラハム・ジェントリーはヒゲのキザったらしい紳士。
めっちゃ潔癖で、出てくる女のほとんどが彼を口説きにかかるけど、ステッキでクイッと押しのけノーサンキュー!
わたくしのおともだちが「主人公をカッコいいと思っているのは監督だけ、という寒さ」と表現してたけどまさにまさに!!w
でもなんか、観てるうちに好きになってくる不思議な魅力がある。
はらたつーー! ゴア・ゴア・ガールズなのに!w
ヒロインポジションの新米記者ナンシーは、ちょう可愛い。
コミカルにジェントリーに付いて回って、きゃっ! もうあんたって人は♪ みたいな掛け合いをずーっとしてる。ダルい。ダルすぎる! このダルさ、どこかで感じたことあるぞ……そうだ! アルジェントのサスペリア2で主人公とヒロインがこんな感じだった! あれを更に寒くした感じだーーー!!
でもこれも、なんか観てるうちに好きになってくる。
何故じゃ!! はらたつーーゴア・ゴア・ガールズのくせに!
ストリップシーンがいちいち長く、そしてダルい。
出てくるストリッパー全員が律儀に1曲丸ごと踊っては脱いでいくんだけど、なんかドスドスした田舎踊りで、おっぱいは出すけどぱんつは脱がない!! ほんとダルい。
これはきっと監督が「ストリッパーちゃんたち全員に見せ場やるべよ」ってやってくれたにちがいない!!
なんか愛を感じるダルさでした。
そしてストリッパーちゃんたちがめっちゃ大根!!(笑)
「英語がてんでダメなわいでも分かる、分かるぞ……これは、セリフ棒読み!!」って分かるほどの大根っぷり!!
「きゃー☆いやーん(棒)」みたいな感じなのまじでwwwwwww
で、殺人犯が忍び寄り、後ろから捕まえ!!って局面になっても、少しも暴れることもなく「いやーーーんたすけてぇーーー(棒)」で、ザシューーーーーて首を掻き切られたり、顔を潰されたり、顔をおなべでグラグラ煮込まれたり、お尻を肉たたきで肉塊にされたり、やられたい放題!! ちったぁ抵抗しろやおめーら!!
マカロニを煮てる透明なおなべで顔をグラグラされるの巻は爆笑した。
あっという間に煮崩れてズルリ! 剥がれ落ちる顔面!
思わず「そんな早く煮えねぇだろ」って素の声で言ってしまったじゃないか!!
でも驚くなかれ。意外なくらいちゃんとサスペンスしてる。
犯人候補は複数いて、クライマックス直前のストリップ大会では、目の端にあやすぃ動きがサッ!と映るように細工されてたりする。いま出てったよね??みたいな。
ズルいーーーーそんな思わせぶりしちゃうんだ、ゴア・ゴア・ガールズのくせに!
しかもクライマックスでは、ああーーーキミだったんか!!とちゃんと驚くし、物語の最後にジェントリーが詳細な謎解きを聞かせるシーンなんて、ちゃんとディテクティブものしてるじゃあーりませんか!! きちっとサスペンスの脚本書いてるぞ!!
なんだろこれ。スゲー楽しかった。もうにっこにこした、観終わったとき。
スゲー楽しい映画です。明るくおばかで、スプラッタも無邪気にぐちょぐちょ頑張った!!
わたしのおともだちがみんな「楽しい、可愛い」って言ってたの、これか! この感じか!
!と、めっちゃ腑に落ちるものがありましたことでございます。
いやーーーこれだから、へんな映画鑑賞はやめられまへんな!!
思わぬ名作でございました。
難しいことはどーでもいーんで、ほんと楽しい映画なので、是非皆さんも楽しんでみてくだたい!!