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映画や本のレビューや雑感、創作活動や好きなもののことなど。トリッチのあたまの中のよしなしごとを綴ります。

【映画レビュー】『フレイルティー 妄執』2001年

『フレイルティー 妄執』2001年

『フレイルティー 妄執』2001年

『フレイルティー 妄執』2001年:あらすじ

テキサス州は、全米を震撼させている連続殺人鬼に手を焼いています。
犯人は必ず「神の手(ゴッドハンド)」という文字を残していく以外に手がかりはありませんでした。

そんなある雨の夜、ダラスのFBI司令部の捜査官、ドイルの下へ、男が訪ねてきます。
フェントン・ミークスと名乗るその男は、神の手の正体は自分の弟のアダムで、既に自殺したと告げます。

『フレイルティー 妄執』2001年

半信半疑に話を聞き始めたドイルでしたが、やがてフェントンの語る壮絶な生い立ちに引き込まれていきます――。

【レビュー※ネタバレなし】想像を絶する子どもの地獄、からのどんでん返してんこ盛り!【フレイルティー 妄執】

エイリアン祭り開催中のわたくしに、ビル・パクストン監督&出演作品でスゲェのあるよー」とおともだちが教えてくれたので、観てみました。

いやーーーーヤバいっすね!! これはヤバい。久々にめっちゃ怖い映画を観てしまいました。わたくしの中で、突如「統合失調症ホラー最高峰」に踊り出た本作。もうね地獄。この世の地獄。逃げ場のない子どもの地獄ですよこれは。

フェントンとアダムの兄弟は、優しくて男らしいクルマの修理工のパパと、シングルファザー家庭暮らしをしています。裕福でないながらも愛情あふれる、しあわせな毎日。

ところがある日、やさしいパパに狂気が訪れます。

突然夜中に叩き起こされ、「天使が訪れた。そして俺たちは選ばれた人間であり、不思議な力を授かったので、武器を手に取り人間界に紛れ込んでいる悪魔を滅ぼさなくてはならない」って言い出すんですね。

分かったよ、パパ、と、純で幼い弟は受け入れてしまうも、兄貴はえええーーーですよ。当然ですね。

突如終わりを告げるしあわせな子ども時代。パパへの愛情、不安そして恐怖。
父のほかに身寄りのない幼い兄弟の、まさに地獄そのものの毎日の始まりです。

次々とパパに訪れる「啓示」。

だだっ広い荒野を走っていたら、他人のボロ小屋の倉庫に一本の太い光が降り注いでいる。クルマを降りて、恐る恐る入っていくと、作業台の上に手斧と手袋が残されている。
これで悪魔を殺るんですね、天使よ!!
むんずと斧を掴み、パパ、やる気満々!!

『フレイルティー 妄執』2001年

そして仕事中にも幻覚が訪れる。

クルマの下に潜っていたら、突如たくましい天使が、燃え盛る炎の剣を振りかざしながら、パパをめがけて降臨してきます。

『フレイルティー 妄執』2001年

このシーンがまじヤバい!! これ以上の統合失調症の妄想再現シーンて見たことないーーーと思ってしまいました。もうダメだ、パパは完全にあっちの世界に行ってしまった!! 観ているこっちも恐怖そして絶望の只中に突き落とされてしまいます。

「天使が教えてくれた」悪魔名簿を作成し、拉致監禁を始めるパパ。
兄は絶望、弟はノリノリ!

『フレイルティー 妄執』2001年

「相手に触れれば、そいつが悪魔であるということと、どんな罪を犯して来たのかが見える」と言い始めるパパ。

怯えきった被害者に手を伸ばし、触れると、ギャーーーーーーーン!!
めっちゃ怖い効果音が鳴り、おっほおおおおおおおおおと身悶えるパパ!!

パパには見えちゃってるんですね、捕まえてきた者のおぞましい正体と、犯してきた罪が。ボクにも見えたよぉ、パパぁ!! ノリノリの弟!! んな訳あるかあああああパパのやってることは犯罪だああああああ!! 泣き叫ぶ兄貴の地獄!! ほんとにもう地獄すぎる。泣き泣き作業を手伝わされる兄貴のフェントン。こんなんほんと泣くわ。可哀想すぎてたまらない。虐待という言葉すら生ぬるい、子どもの地獄です。

『フレイルティー 妄執』2001年

その後、大型のどんでん返しが複数回!! 息をつく暇もない!!
んほおおおおおおおおそうきますか!! ええええええええまじっすか。んなああああああああああえええええええええ待って待って待ってってなります。

このどんでん返しもステキなんですがねぇ。

トリッチは前半の「狂気のパパと逃げ場のない子どもたちの地獄」パートで、めちゃくちゃ夢中になって満たされてしまったので、うーん、このままでもよかったよ??とちょっと思いました。

わたくしの好みから言うと、複数回のどんでん返しは「ちょっとサービスしすぎじゃね?」という感じでしたね。ここは好みの分かれるところでしょう。

でも最後の最後、あいつが、えええええーーーーーーーー!?は、ほんとゾワーーーーーッとしました。あ、やっぱりどんでん返しも結構いいかも(笑)。どっちなんだって感じになってきましたが、トリッチ本作、めっちゃくちゃお気に入りということで手打ちと致ししましょう。

いやーーーヤバいね。逃げ場がないって本当にヒドい!! 精神異常ホラー、そしてトラウマサスペンスがダイスッキな皆さんに、自信を持ってオススメ!! ゾワゾワくる狂気の表現とあっと驚く謎解きに、是非酔い痴れてみて下さい!!

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