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映画や本のレビューや雑感、創作活動や好きなもののことなど。トリッチのあたまの中のよしなしごとを綴ります。

【映画レビュー】映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

タイムトラベラー☆樽井の、過ちと決断!

【あらすじ】映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト

ブジューーーーーーヴ!
未来的な効果音がして、コートを着たミステリアスな男が現れます。

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

我々は、この男を知っている……!

男の名は、樽井。
この世で公開された全てのタイムトラベル映画を観た、タイムトラベル映画の世界的権威です。

以下の動画が、樽井の登場作品です。

映画かよ。Like in Movies 第19話「ロード・オブ・ザ・リング」

映画かよ。1分映画トーク No.26「ワイルドスピード」

非常に切羽詰まった表情で、どこかへ向かっていく樽井。

彼が駆け付けた先には、ミノルがいました。

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

み、ミノル……! よかった! え、何すか樽井さん

「み、ミノルぅーーーーよかった! 元気そうだ」
「何すか樽井さん、気持ち悪い。何かあったんですか?」

ミノルはいぶかしがりますが、樽井は驚いたような顔をします。

「あれ!? ミノル、映画Tシャツ着てない!?」
「ああー、はは、妻が嫌がるので」
「つ、妻!? ミノル、お前、結婚してるのか!?」
そこへ現れたミノルの妻は、何と……!!
「はじめまして~」

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

え!? 京ちゃん!?

なんと、塩原の愛妻、京子でした。

「いかん……また、世界がズレてる……」

実は樽井は、タイムトラベルができるようになり、過去に行った際に、ひとつのミスを犯していました。
過去のミノルと接触してしまい、そのせいで未来がズレてしまったのです!
そしてズレた未来では、必ずミノルが、非業の死を遂げてしまうのでした……。

責任を感じた樽井は、何度も過去に戻って「ミノルが死なない未来」へと修正を試みているのでした。
しかし、何をどうしても、様々な方法で、ミノルが死んでしまう。
そしてこの「京子と結婚している世界線」でも、ミノルは樽井の目の前で、交通事故で亡くなってしまいました……。

樽井は、再度過去に戻ることにします。

果たして樽井は、ミノルを救うことができるのでしょうか……。

【レビュー※ネタバレなし】映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト

「歴史には自己修正能力がある」

ははははははは!🤣 トリッチ、めっちゃくちゃ大爆笑しました!
今回の映画かよ。は、みんな大好きSFサスペンス回です。
しかも、トリッチが大好きな、樽井さん主役回!

樽井さんとは、あらすじのところでも紹介いたしましたが、「この世で公開された全てのタイムトラベル映画を観た、タイムトラベル映画の権威」という、むちゃくちゃな設定のニヒルな紳士で、初登場は大人気、映画かよ。Like in Movies 第19話「ロード・オブ・ザ・リング」でございます。

第19話のラストで、カイルの後を追って消えてしまった樽井さんは、無事タイムトラベルができるようになり、憧れの時間旅行を楽しんでいた模様。

しかし、過去に出かけた際、重大なミスを犯してしまっていました。

過去のミノルに接触し、そのせいで未来にズレを生じさせてしまったのです。

しかも、ズレてしまった未来では、その後何度過去に戻って調整を繰り返しても、ありとあらゆるパターンで、ミノルが非業の死を遂げてしまう。
ミノルも、樽井さんも、大ピンチに陥っているのです。

「歴史には自己修正能力がある」

はからずも、樽井さんは、過去に自分が唱えた説に振り回される羽目に。

何度も過去に戻って調整するも、元の世界から、どんどんズレていってしまう未来。しかも「ミノルの死」という悲劇が避けられない!

物語の冒頭の世界線では、ミノルは親友塩原の愛妻、京子と結婚しています。

ここの驚きたるや!
「ええーーーー京ちゃんやん!!」と、トリッチ、声に出してのけぞりました!

しかも、こちらの世界線でも、京ちゃんは映画なんて興味ない(笑)
元の世界線と同じように、恐妻ぶりを発揮して、あのミノルに、映画Tシャツを着ることをやめさせています。

しかも、ミノルもそれがまんざらでもなさそう(笑)
京ちゃんの膝に腕を置くなどして、ラブラブっぷりを発揮しながら、
「えぇーーーーあっちの世界の俺は、妻どころか彼女も居ないの!? じゃ、休みの日とか何やってんの??」
などとのたまう始末。

そして樽井さんに、
「もう過去に戻って小細工しないでください。俺、今の人生気に入ってるんで」
とまで言い放ちますが、その直後に交通事故で壮絶死してしまう。
樽井さんはあたまを抱えるほか術がありません。

「ミノルがろくでなしの世界」の編みタイの衝撃!

「またしても失敗だ。次は何々を何々にしてみよう」

樽井さんは、過去に戻る度に、加えた修正と、その結果どうなったかをつぶさに記録し、何とか元の世界線に戻そうと苦闘します。

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

孤独な闘いに挑む樽井だったが……。

そして次にめぐり着いた世界線は、「ミノルがろくでなしの世界」でした(笑)

この世界の、スットンキョウなミノルに爆笑!!

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

まさかミノルのビラビラピアスに編みタイ姿が拝めるとは……。

オレたちの主人公、ミノルが、
まさかのビラビラピアスと編みタイツ🤣🤣🤣

こちらの世界でも、亜美とつるんでいるようですが、亜美も負けじとドチンピラっぷりを発揮しています。
パイプでタバコを吸い、鼻からヤクを吸い、他人の金を奪ってヘラヘラ笑う(笑)
樽井さんのせいで、亜美ちゃんまでこうなっているのだとしたら、
「オレの亜美ちゃんを返して!!!!!!」
と、樽井さんの胸ぐらを掴みたくなるような変貌っぷりです。

樽井さんの忠告をゲラゲラ笑い飛ばし、ろくでなしっぷりを見せ付けるミノルと亜美でしたが、二人の楽しい日々は、突如樽井さんの目の前で、破壊されてしまいました。

二人が「撮影資金を盗んでやった」駒谷監督が、復讐に燃えて乗り込んできたからです!

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

「死ねやーーーーッ!」温和な監督を鬼の形相に変えた者は!

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

この世界でも非業の死……自業自得だけど。

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

美人女優なのに映画かよ。では捨て身すぎる亜美ちゃんが心配

実はこの世界線では、樽井さん自身も撮影資金強奪のグルとなっていたため、樽井さんも駒谷監督から追われる身となってしまいます。
命からがら逃げ切った樽井さんを、深い絶望が襲います。
自分が余計なことをしてしまったばっかりに、映画ヲタ盟友ミノルの運命を、酷いものにしてしまった。
どうにかしなければ。
しかし歴史というものは、自分などの手に負えるものではないのかもしれない。
どうにかしなければ、ミノルは死んでしまう。
だがどうすれば……。

そのとき、不思議な女性から、声をかけられます。

「あんた、長くないね。顔に「もう死んでる」って出てるよ」

驚いた樽井さんが振り向くと、穏やかに微笑む「セツコさん」がいたのでした!

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

うおおおお! セツコさーん!😭✨

セツコさん登場! 樽井の救世主となるか!?

うおおおセツコさんだああああ!!

トリッチ、ぶちあがりました。
彼女の名は、セツコさん。
映画かよ。第24話「ムーンライズキングダム」で、亜美ちゃんと熱い友情を結んだ女性です。

これだよ。これなんですよ。映画かよ。の醍醐味は。

映画かよ。の楽しさの一つに、「過去作品の好きキャラとの再会」というものがあります。
ウェスの下を去り、ウェスに気持ちを残しつつも、前を向いて歩き出したセツコさん。
そんな彼女が、元気そうにしていてうれしいッ!!😭
しかも、これまたトリッチの大好き映画『ジェイコブズ・ラダー』のオマージュシーンで登場。
これ熱くならないやついる????
繰り返しますが、トリッチはぶちあがりましたね!!

疲れ切って、セツコさんに全てを打ち明けてしまう樽井さん。
話しているうちに、彼の胸の中には、ある決意が芽生えていました。

映画かよ。Like in Movies 第45話「バタフライエフェクト」

セツコさんが樽井さんに与えたヒントとは?

「考えるまでもないです。止めてきます」

樽井さんの決意とは、いかに!!

「仲真実」という名前が示すもの

お話の結末は、皆さま自身に観ていただくこととして。

最後にわたくしは、我らが主人公ミノルの「仲真実」という名前について考察したいと思います。

「ミノルって、漢字名の設定とかあんの?」

と、以前駒谷揚監督に尋ねたとき、あるよ、ということで、初めてこの漢字表記を知ったとき、ぶっちゃけ

「へんな名前だな」

って思ったんですよね。
なかま、って名字は珍しくないけど、仲真って書く人、これまで出会ったことないよ、と思って。

でも今は、主人公にこう命名した監督の考えが、分かる気がします。

ちょう暑っ苦しく「友よ!」とかやる訳じゃないけど、映画かよ。は、基本的に友情の物語なんだなと思います。

映画が好きでたまらない、ちょっと行き過ぎたヲタが、同じようなヲタ友と渋谷を駆け回って、へんな事件に巻き込まれてワーワー騒いだり、自分より若くて才能のある子を、若いゆえの不完全さも受け入れてそっと見守ったり、情熱的に映画を作っているが、つらいことがあって諦めかけているともだちを、しっかりせよと励ましたり、自分よりもずっと優れた作品を作っている美女に、オレたちって同じだねと遠回しに伝えてふと気持ちが通じたり、憧れの映画監督の下で働いていた女性と仲良くなるけれど、訳ありそうな彼女に根掘り葉掘り訊いたりせずそっとしておいたり。傷付いたともだちのために、隠れてそっと泣いたり。

こんなに不器用だけど、オレたちは仲間だし、オレたちの仲は本物なんだよ。

映画かよ。を通して、駒谷監督が伝えたいことって、これかもしれない。
映画かよ。の膨大なエピソード群を観ているうちに、わたくしは、そんなふうに考えるようになりました。

クソうらやましいじゃねぇか。

あっ、そして、何か胸がキューンとする。
ベタベタしたり、四六時中つるんでいる訳ではないけど、お互いをそっと思いやる、ミノルたちの距離感ていいよね。
ともだちっていいもんだよね。
わたくしをはじめとする視聴者は、きっと、ミノルたちの友情に憧れているんだろうなー。

そして、しばらくごぶさたのあいつに連絡でもしてみようか?って気持ちになる。

用事なんかなくたっていいのだ。
「久しぶりー。映画行かない?」って、これだけでいいのだ。

そんな幸福を思い出させてくれるこのシリーズが、わたくしはとても好きであります。

樽井さんが、大事なともだち、ミノルのために下す決断、是非見届けてください。

そして最後に訪れるやわらかな希望に、心震わせてきてください!!!!

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