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映画や本のレビューや雑感、創作活動や好きなもののことなど。トリッチのあたまの中のよしなしごとを綴ります。

【映画レビュー】映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

映画かよ。海外編第二弾は台湾が舞台!

【あらすじ】映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

相変わらずの映画狂いで、映画関連グッズに対する欲望も、常に噴火しているミノルと亜美は、スズカに頼んでいたブツの受け取りに、今日もいそいそと向かっていました。

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

果てることなき映画ヲタどもの物欲

待ち合わせ場所に居たのは、スズカのパートナーである樹里ちゃん。

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

何だかとてもうれしそうに、スズカのお手伝いをする樹里ちゃん

「あれ、スズカさんは?」
「スズは、仕事で台湾」

そう、スズカは、台湾にやってきていました。

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

海外でも、スズカの態度は少しも変わらない

台湾の映画ブラックマーケットに精通しているライアンに、彼が欲しがっていた『遊びの時間は終わらない』のパンフを売りつけたスズカは、

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

「このあとランチどう?」誘うライアンだったが……。

食事に誘うライアンを制しながら、自分も「映画レアグッズ」を入手することを思い付きます。

それは、侯孝賢ホウ・シャオシェン)監督作品『ミレニアム・マンボ』のポスターでした。

スズカは、ライアンが教えてくれた店に足を運びますが、残念ながら店は閉まっていました。
そこで、再度電話をすると、彼は「手に入れられる人間」を教えてくれました。

ライアンに指示された場所にスズカが出向くと、美しい女性が待っていました。

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

ライアンの紹介した美女。彼女は信頼できるのだろうか……。

彼女はヴィッキー。
「ファミリービジネス」として、古くから映画ブラックマーケットで暗躍している一家の娘でした。

果たして彼女は、信用できる人間なのか。
本当に『ミレニアム・マンボ』のポスターを、手に入れることはできるのか。

台湾での、スズカの冒険が始まります……。

【レビュー※ネタバレなし】映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

化かし合いの相手がバディ未満に変わるストーリーの魅力

いやーーーー面白かった! よかったーーーーーー
オレたちの映画かよ。海外編第二弾! 台湾編、めっちゃくちゃ素晴らしかったです!

映画何でも屋スズカが、台湾の同業者の元へ出かけて、食えない相手と一緒に、『ミレニアム・マンボ』のポスターを探して、台北中を駆け巡るお話となっています。

お調子者風の男性ライアンとのやり取りを経て、「西暦1899年からずっと」映画ブラックマーケットを「ファミリービジネス」としている美しき台湾女性、ヴィッキーに出会ったスズカ。

そして、ヴィッキーは信用できる人間なのか分からないまま、彼女のペースで台北中に連れ回されることになります。

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

異国情緒あふれる真夏の台北の美しさ

この二人の関係が、とってもいい。

ヴィッキーとスズカは、いわば「化かし合いの関係」です。
食うか食われるか、ブラックマーケットで生きてきた女同士の取引は、一瞬たりとも気を抜けません。
油断して、甘い顔を見せたら、金を巻き上げられるだけの関係。
それが、目的を共にし、連れ立って歩いているうちに、ふと相手の人間性に触れる瞬間が生まれる。
ともだちにはなれない二人なのに、ふとともだちのように感じる瞬間がある。
そして、もしかしたら、自分は不用意に相手を傷付けてしまったのではないか、という不安。
ここら辺の感情の機微が、とてもよかった。

また、二人が歩く台北の、エキゾチックな街並みと、真夏の雰囲気がとても美しい。
熱い大気、ほとんど暴力のような日差し。

真夏は苦しい。けれど、真夏には、真夏だけが持つ幸福がある。

二人がちょっとだけ打ち解けたようになるのは、真夏の幸福が見せるマジックなのかもしれない。
そんなことを思いました。

映画かよ。で一二を争う人気キャラ、スズカの魅力炸裂!

そして今回の主役、佐々木しほさん演じるスズカが、本っ当に素晴らしい!

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

樹里にだけ優しく愛らしい表情を見せるスズカ

細くて小柄で、妖精さんのようなルックスでありながら、クールなワルの魅力にあふれるスズカは、シリーズ全体で最も人気のあるキャラの一人です。

今回初めて英語で演じられていますが、英語で話しても、どこまでもスズカ。
クールでぶっきらぼうで、どこか投げやりな雰囲気がありつつも、あたまの回転が早く、抜け目ないスズカの魅力が炸裂しています。

特に好きなのは、ライアンに食事に誘われて「ダイエット中なの」と断るシーン!
いいですねぇー。ものっすごい短く、礼儀正しくエクスキューズしながらも、
「あんたとなんかご飯に行かない」ってズバッとぶったぎっています。
こういう断り方をしても憎まれないのは、本物のいい女だけです。

あと、海外での仕事なのに、荷物がものすごく少ないのも、とてもスズカらしい。

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

たぶんスズカはミニマリスト

空港では、ごく小さいスーツケースを引っ張っているだけで、これは、映画かよ。海外編第一弾で、オレの美帆がちょうばかデッカいスーツケースを持っていたのとは、好対照を成しています。

美帆ちゃんが、デッカいスーツケースを引きずっている有様には、彼女の完璧主義や心配性、そして何より一人の海外が心細すぎるという心境が、ものすごくよく現れていました。

対するスズカは、一人の海外なんて慣れっこで、たぶん「めんどくさいから」荷物を極少にするタイプの女性なのでしょう。
街歩きのときも、いつもの小さなポシェットのみ。

こんな旅慣れた、頼もしい様子を見せていたら、そりゃ樹里ちゃんもメロメロになっちゃうよねとうなづくことしきりでした。

スズカのパートナー、樹里ちゃん可愛すぎん?!

そして本作も、映画かよ。名物、素敵すぎる助演俳優さんたちが、オレたちのスズカの周りを固めます。

まず、スズカのパートナーの樹里ちゃん。

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

かつてオトも憧れたいい女、樹里ちゃん。

いいですねぇ。いつも言ってることですが、わたくし、樹里ちゃんが大好き!
今回の樹里ちゃんは、セリフや態度に、スズカとの毎日が透けて見える感じがして、ちょードキドキしました!

劇中で彼女だけが、スズカを「スズ」と呼ぶのがめっちゃくちゃいい。
スズって、なんかスズカよりもラヴリーな響きありますよね。
樹里ちゃんは、絶対スズカが、ほかの人間には見せない可愛い部分知ってるでしょー!
ヤバ、尊いにも程がある!!

あと今回、スズカが、
「午後3時のフライトだから、8時には家に着けると思う。一緒に夜ご飯食べよう」
って樹里に電話をするシーンも好きなんだけど、その後ポスターが手に入らず、「やっぱ帰宅は明日になる」ってかけ直したとき、樹里ちゃんが

「もうお刺し身買っちゃったんだけど」

って、ちょっとべそかきかけてるような表情で言うシーンが、もーーーめっちゃくちゃ好き!!
尊いのかたまり!!
お刺し身っていうのが良すぎる。
今夜じゃなきゃダメ感満載な上に、スズカが帰ってくるのがうれしくて、ちょっと豪華なお夕飯用意しちゃった感がたまらない!!
そりゃムッとしちゃうよねーー「やっぱあした」なんて言われたら!

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

「もうお刺し身買っちゃたんだけど?」は今回のセリフ大賞!

で、その後やきもち焼くのもちょーーーー可愛いーーーー!!
これはわたくし、確信を持ってるんだけど、スズカは絶対浮気しないタイプ。
芯から硬派な女だし、何よりそんなに好きじゃない相手とそうなることは、たぶん彼女はとてつもなく「めんどくさい」と感じるタイプなんだと思うんだ。

もちろん、パートナーたる樹里ちゃんも、そんなことちょーーーーよく分かってる。
でも、やきもち焼くのはそれとは別問題!!

絶対浮気しなくても、男からも女からも、年がら年中、バチクソモテてモテまくるタイプがパートナーだと、そりゃあんた、度々キーーーーーーッ!!ってなるのは、当たり前ってもんですよ。
1mmたりとも疑ってなくても、あまりにも多数の男女が、自分のパートナーに、しょっちゅー鼻の下を伸ばしてるのを見かけりゃ、そりゃ面白くないですわ。
しかしもうこれは、モテモテたんをパートナーにした者の宿命だから、甘んじて受けるほかない。

で、キーッてなっちゃう樹里ちゃんが、スズカからいろいろ影響を受けてる様子も、とても可愛い。
クールな装いで、取引現場に代理人として現れたり、「お金が先」ってスズカのポリシーを守ってビジネスのお手伝いをしたり。ちょっといちびってるのが可愛い。

スズカも、ミノルと亜美みたいに、気心の知れている相手のところにしか、樹里ちゃんを行かせることはないんだろうなとか、またもや妄想が膨らみます。

台湾の魅力的すぎる俳優さんたちに感激!

そして今回、魅力的すぎる台湾の俳優さんたちの活躍も、見落とせない部分でしょう!

偽のポスターを持って現れるイケメンくんは、

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

彼が何者なのかは、本編をチェック!

ほんとにビックリするほどのイケメンで、トリッチお口あんぐりになりました!!
今回短い出番だったのと、暗い公園での演技だったので、是非ぜひ映画かよ。に再出演していただき、次は明るいところでじっくり拝見したいです!

あとトリッチは、ライアンが大好き!

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

ほがらかなれど、油断ならないライアン。イイネ!

スズカにやり込められているように見えながら、絶対こいつ、ズルくてあたまのいいタイプー!
調子良さそうに見えるけど、絶対自分が損するようなことはしないし、ニコニコしながらあらゆる人間を利用しようとするだろう、みたいな、油断できないやつっぷりが最高!

写真だけ拝見したときは、オトに似てる気がしたんだけど、うごいてるの見ると、そんなに似てないねーーーー

ライアンも、絶対またスズカとやり合ってほしいキャラクターです!

そして、本作のもう一人の主役、ヴィッキー!

映画かよ。Like in Movies 第47話「ミレニアムマンボ/千禧曼波」

コメディエンヌの才能が光る、超弩級美女!

もうビックリするような美人。スタイル抜群!
そして彼女、コメディエンヌとしての才能、光りまくっているように思います。

人懐っこく、トボけた味わいのある身振りと話し方。
それでも、隙を見せたら一気に出し抜いてきそうで、一瞬たりとも気を許せない。
と、思ったら、スズカのある発言にはっとして、自分がスズカを傷付けたんじゃないか、と思ってしまう人の良さ。

いいですねー。ものすごく魅力があります!

ヴィッキー演じるJCこと雷婕熙さんは、英語での演技は今回が初めてと伺ってますが、「英語と中国語を自由に操り、人好きがし、人心掌握に長けたヴィッキー」そのものに見えました。

ヴィッキーもまた、映画かよ。に再出演してほしいキャラクターです。
そして再度、スズカとの化かし合いに興じたり、逆にスズカと確かな友情を育む姿も見てみたくてたまりません。

果たしてスズカは、求めるものを得られるのか。
ヴィッキーの、スズカへの気持ちはどう変化するのか。

是非皆さんの目で、本編を確かめてみてください!!

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